医療と介護の両立を目指して超高齢化社会の地域医療に取り組んでいます

開院50年、地域医療に取り組む病院の理事長
今年で開院50年を迎えた所沢市狭山ヶ丘にある「医療法人仁栄会・所沢緑ヶ丘病院」。緑ヶ丘という病院の名の通り、四季を感じる草花や花木に囲まれた良好な環境の中、医療と介護の連携を重視した地域医療に取組んでいる。理事長で医師の土江博人さんは、良く話を聞いて、丁寧に説明してくれると評判のドクターだ。
「父が医師でしたので、幼い頃から間近で父の働く姿を目にしていました。急患で夜遅くや早朝に出かける事も多く、子ども心に大変な仕事だとは思っていましたが、父は敬慕の存在であり、自分も自然に医師になりたいと思うようになりました。
医学部に進学後は、手術への興味があったこともあり、消化器外科の道へ進みました。卒業後は、日本大学医学部の消化器外科で研修医として勤務し、消化器(胃・大腸)がんや乳がんの手術等に携わり、多忙ながらも充実の日々を過ごしていました。そんな中、急性期病棟の立ち上げの為、父の病院を手伝うことになりました。患者さんは地域のご高齢の方が多く、最先端の医療に取組んでいる大学病院とは対照的でした。しかし、そこは医療の原点とも言える『人を診る』ということをとても大切にしており、本当に困っている患者さんのためになっているという実感がありました。困難な手術をもこなす外科医を目指していましたが、父とともに地域の医療に取り組んでいく決心をしたのです。
現在、外来では主に一般内科に加え、胃・大腸の内視鏡検査にあたっています。患者さんの訴えをよく理解し、患者さんにわかるよう丁寧にお話するように心がけています」
地域のニーズに応える介護医療院
現在日本は65歳以上の高齢者が総人口のおよそ4人に1人の超高齢化社会。施設などで介護サービスを受けることができずに困っている介護難民や老老介護、認認介護などが社会問題となっている。
「特に首都圏のベッドタウンである所沢市を含む埼玉県西部において、高齢化のスピードが早く、介護医療需要が2050年にピークを迎えると予想されています。そのような事を踏まえ、2020年に医療療養病床(51床)に加え、介護医療院(93床)を開設しました」
介護医療院とは、医療の必要性がそれほど高くないので慢性病棟には入院できないけれど、家では生活できず医療をしていかなければならない人が入居できるまだ数少ない保険施設です。介護施設よりも手厚い医療、病院よりも生活の場としての役割を重視しています。緑ヶ丘介護医療院では、定期的なレクリエーションや趣向を凝らした季節の行事やお食事などにも力を入れていて、一人ひとりがその人らしい暮らしができるよう、職員も積極的に取組んでいます。毎年春には、地域に開放したイベント『さくら祭り』を開催しています。地域の方々に当院の理解を深めていただくとともに、今後は感染リスクの高い入院・入居者の方々にも、地域の人たちと交流できる機会もつくりたいです」
今の日本を築いてくれた、高齢者の方を大切にしたいと語る土江さん。一方近隣の学校の校医を務めるなど、若い世代の医療にも取組んでいる。今後の益々の活躍を期待したい。

医療法人仁栄会
所沢緑ヶ丘病院緑ヶ丘介護医療院
住所:埼玉県所沢市狭山ヶ丘1-3009
TEL:04-2948-8181
交通:狭山ヶ丘駅西口より徒歩5分
診療時間:【平日】9:00~12:00/14:00~17:00 【土曜日】9:00~12:00
休診:土曜日午後、日曜日、祝日
駐車場:有り